◎現在、世界44の国と1つの地域がマラリアのない国として認定されている。
マラリアを媒介する蚊(Getty Images)

世界保健機関(WHO)は20日、エジプトがマラリアを根絶したと宣言した。

WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は声明で、「これは歴史的はことであり、マラシアを根絶するために1世紀近く続けた努力の賜物である」と述べ、エジプト当局を称賛した。

またテドロス氏は「マラリアはエジプトの古代文明と同じくらい古く、ファラオも悩ませたが、今年、その歴史は終わりを告げる」と述べた。

現在、世界44の国と1つの地域がマラリアのない国として認定されている。

マラリアはマラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染する疾患。最も多い症状は発熱と悪寒で、発熱の数日前から倦怠感、背部痛、食欲不振など、不定の前駆症状が認められることもある。予防も治療も可能だ。

WHOは少なくとも3年連続でマラリア原虫を持つ蚊がいないことを証明した国にこの認証を与えている。

根絶を認められた国はマラリア原虫の流入を防ぐ措置や、海外旅行者がマラリアに感染した場合、その拡大を抑える措置を取り、それが効果的に機能していることをWHOに証明する必要がある。

WHOによると、世界の22年のマラリア感染者数は約2億4900万人、死者数は約60万8000人。その95%はアフリカで報告されている。

WHOは21年に世界初のマラリアワクチン「RTS,S/AS01」を承認。それから2年後、新たに「R21/Matrix-M」を承認した。

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