◎エジプトの公共スペースで抗議デモが行われることはほとんどなく、このデモは世界の注目を集めた。
2019年9月21日/エジプト、首都カイロ、政府に抗議するデモ(ロイター通信)

エジプトの裁判所は15日、2019年の抗議デモに関与した38人に終身刑を言い渡した。

スペインに亡命しているエジプト人実業家モハメド・アリ(Mohamed Ali)氏がSNSで呼びかけた集会は全国に広がり、シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領の退陣を求める抗議デモに発展した。

エジプトの公共スペースで抗議デモが行われることはほとんどなく、このデモは世界の注目を集めた。

アリ氏はデモを民主革命と呼び、政府高官の汚職を糾弾した。

テロ関連事件を扱う刑事裁判所によると、終身刑を言い渡された被告38人のうち、アリ氏を含む23人は欠席裁判にかけられたという。

また裁判所は未成年を含む他の44人に禁固5年から15年を言い渡した。報道によると、21人は無罪を勝ち取ったという。

有罪判決を受けた人々は治安部隊や国家機関に対する暴力を扇動したとして起訴された。

スエズ運河の河口に位置する港湾都市スエズの抗議デモは一部でエスカレートし、暴動に発展した。

当局は当時、全国で4000人以上を逮捕した。その多くは釈放されたが、裁判にかけられた者もいた。カイロの平和的なデモに参加した一部の市民も逮捕されている。

人権団体「エジプト経済・社会人権センター」はエジプト政府の取り締まりを「弾圧」と呼び、デモに参加しただけで禁固刑を科す司法制度にも異議を唱えている。

エジプト政府は2011年の「アラブの春」に関連する抗議デモも厳しく取り締まり、活動家など数千人を逮捕・収監した。

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