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エジプト、18億ドル相当の再生可能エネルギー契約を締結

契約は主に太陽光発電および蓄電技術に関するもので、同国の電力供給構造の転換とクリーンエネルギー比率の引き上げを狙った国家戦略の一環として位置づけられている。
送電鉄塔(Getty Images)

エジプト政府は11日、再生可能エネルギー分野の大規模な契約を複数締結し、総額約18億ドル(約2820億円)相当の投資を確定させたと発表した。契約は主に太陽光発電および蓄電技術に関するもので、同国の電力供給構造の転換とクリーンエネルギー比率の引き上げを狙った国家戦略の一環として位置づけられている。

契約締結式はスエズ運河経済特区(SCZone)で行われ、首相をはじめ政府関係者や外国企業の代表らが出席した。中心となるプロジェクトの一つは、ノルウェーの再生可能エネルギー企業スカテック(Scatec)が主導するメガソーラーの建設である。これは「Energy Valley(エナジー・バレー)」と名付けられた事業で、上エジプトで1.7ギガワット(GW)の太陽光発電能力を持つ施設を整備し、同時に4ギガワット時(GWh)の蓄電システムを導入する計画となっている。これにより、日照量の多い地域で安定したクリーン電力を供給することが期待されている。

スカテックはエジプト送電公社と総容量1.95GWの電力購入契約(PPA)および3.9GWhの蓄電容量に関する契約を締結した。契約期間は25年で、発電した電力の供給量に応じたドル建ての料金支払いが行われる仕組みになっているという。スカテックのCEOは「先進的な太陽光発電と蓄電技術を統合することで、持続可能で安定的な電力を提供し、エジプトのエネルギー転換と地域経済の長期的発展を支える」と成果への期待を述べた。

また、中国のサングロウ(Sungrow)がSCZone内にエネルギー蓄電用バッテリーの製造工場を建設する契約も締結された。この工場では蓄電池の生産が行われ、その一部はスカテックの発電プロジェクト向けに供給されることが計画されている。サングロウによると、この製造施設は中東・アフリカ地域で初めての大規模な蓄電池生産拠点になる見込みで、現地生産体制の拡充と雇用創出に寄与するという。

エジプト政府はこれらの契約締結を通じ、2030年までに国内の電力供給に占める再生可能エネルギーの比率を42%にまで引き上げる目標を掲げている。ただし、政府関係者は国際的な支援がなければ目標達成は困難であるとの見方を示しており、さらなる外国投資の誘致が必要だと強調している。

エジプトは天然ガス産出国であるものの、近年ガス生産が低下傾向にあり、電力需要の増加と供給の安定化を背景に再生可能エネルギーへの取り組みを強化している。これまでも大規模な太陽光や風力発電プロジェクトに投資してきたが、新たな契約はその戦略を一段と前進させるものと評価されている。

今回の取り組みは、エジプトが国内エネルギーセクターの脱炭素化を進めると同時に、地域のクリーンエネルギー拠点としての地位を高める重要な一歩になるとみられている。

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