◎カイロ南部のサッカラで、エジプト第6王朝の初代ファラオ、テティ王の妻(ニアリット女王)の葬祭殿が見つかった。
◎葬祭殿の内部には木製の棺が50以上保管されていたという。
エジプトの観光・古美術省によると、カイロ南部のサッカラで新たな墓地遺跡と木製の棺が発見されたという。
当局者は、元古代考古省大臣のザヒ・ハワス氏の率いるチームが、エジプト第6王朝の初代ファラオ、テティ王の妻(ニアリット女王)の葬祭殿を発見したと述べた。
また、葬祭殿の内部には木製の棺が50以上保管されていたという。ハワス氏のチームによると、それらは3,000年ほど前のものと考えられており、サッカラで発見された最も古い棺になるという。
当局者は、「発見された棺は木製で、約3,000年前に作られたものです...棺にはこの時期に崇拝された多くの神々が描かれています。神々は、故人の他の世界への旅を助けるために描かれました」と述べた。
エジプトではここ数カ月の間に何百もの新たな棺が発掘されており、いずれもプトレマイオス朝時代(紀元前300年頃)のものと伝えられている。
観光・古美術省によると、今回発掘された木製の棺の歴史的価値は、これまでのものをはるかに上回っているという。
当局者は、「この発見により、サッカラは第6王朝(新王)時代にも墓地として使用されていたことが初めて確認されました」と述べた。
ハワス氏は記者団に対し、「地下24m地点から泥のレンガで組み上げられたシャフト(垂直の縦穴)が見つかった」と述べた。
ハワスによると、それはサッカラの墓地跡の中で最も古いものだという。
ザヒ・ハワス氏:
「シャフトの調査は埋葬室に到達するまで続く。私たちはシャフトの内部で、オシリス神やプタハ・ソーカー・オシリスなどの神々を表す多数の考古学的遺物と彫像を発見した」
考古省のハレド・エル・エナニー観光 古物大臣は、「私たちはサッカラのすべての墓とシャフトを見つけるために調査を進める」と語った。
エジプトの観光産業は2011年と2013年の暴動から回復し始めていたが、昨年のパンデミックで新たな危機に直面した。政府は今回の発見が観光産業の復活を後押しすると期待している。
ハワス氏は、「今回の発見はネクロポリスの歴史を書き換える。そして、サッカラは重要な観光と文化の目的地になるだろう」と述べた。