◎セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。
2024年2月6日/セネガル、首都ダカール、大統領選延期に抗議するデモ(AP通信)

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は6日、セネガルの大統領選が今月25日から12月に延期されたことに深刻な懸念を示し、予定通り今月実施すべきであると表明した。

サル(Macky Sall)大統領は一部の候補者が失格になったり、汚職疑惑が報じられたことに対応するため、大統領選を延期すると発表。投票日を12月に設定した。

野党はこれを「クーデター」と非難し、ECOWASに介入を求めていた。

セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。サル大統領の任期は4月2日まで。

憲法は選挙管理委員会を統括する憲法評議会に対し、「大統領候補者が死亡するなど、特定の条件下でのみ、大統領選の日程を変更できる権限を与える」としている。

首都ダカールではサル大統領と政府与党の決定に抗議するデモが行われ、数百人が非難の声を上げた。

AP通信の取材に応じた男性は「偉大な民主主義国家であるセネガルが、今や世界の笑いものになっている」と語った。

今回の大統領選はサル大統領に3期目を断念させた昨年の暴動から、野党候補の失格処分まで、様々な論争に悩まされてきた。

サル大統領は昨年、憲法を改正して3選を目指す可能性があると示唆したものの、これに反対するデモが暴動に発展、死傷者が出る事態となり、最終的に3選を目指さないと表明していた。

ECOWASは同地域で急増するクーデターの抑制に苦慮している。

ECOWASの報道官は声明で、「セネガルの憲法規定に従って、選挙日程を回復させるための緊急措置を講じるよう求める」と表明した。

国連人権高等弁務官事務所もセネガルの現状に懸念を表明。「選挙日程の延期は広範な協議に基づいて決めるべきである」と述べた。

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