◎ニジェールはフランスの旧植民地であり、1960年の独立以来、何度も軍事クーデターに見舞われてきた。
西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が30日、ニジェール軍政に最後通告を突きつけ、1週間以内に同国を正常な状態に戻るよう要求した。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は26日に首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ニアメではクーデターを支持する市民数千人が集会を開き、ロシアの国旗を振り回し、旧宗主国であるフランスを口汚く罵った。
AP通信の取材に応じた男性は「EU、AU(アフリカ連合)、ECOWAS、そして米国は引っ込んでろ」と語った。「私たちの邪魔をしないでください。ニジェールの未来を決めるのは私たちニジェール人です...」
ECOWASはナイジェリアの首都アブジャで緊急会合を開き、この問題について協議。軍政に対し、速やかにバズム氏を解放し、憲法に基づく民主的な統治を回復させ、1週間以内に国を元の状態に戻すよう求めた。
またECOWASは「軍政が要求に応じなければ軍事介入の可能性も排除しない」と警告した。
これに対し、チアニ氏の報道官は国営テレビに宛てた声明でこう決意表明した。
「ECOWASはこの緊急会合でECOWASに加盟していないアフリカ諸国や特定の西側諸国と協力し、ニジェールへの軍事介入に合意したようだ。我々はECOWASに対し、自国を守るという確固たる決意を伝える」
反乱軍はバズム氏がイスラム過激派の暴力から国を守れなかったと主張し、クーデターを正当化している。
ニジェールはフランスの旧植民地であり、1960年の独立以来、何度も軍事クーデターに見舞われてきた。
バズム氏は2021年の選挙で選出され、サヘル地域におけるイスラム過激派との戦いにおいて、西側諸国と緊密に連携している。
過激派はニジェールとその隣国マリおよびブルキナファソで攻勢を強めている。一連の紛争で死亡した民間人は数万人と推定され、数百万人が難民キャンプでの生活を余儀なくされている。