◎大統領警護隊らで構成される反乱軍は昨年7月、ニアメの大統領府を占拠し、バズム大統領とその家族を拘束。その後、チアニ将軍が国家元首に就任した。
西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は24日、ニジェール軍政に科していた経済制裁を解除すると発表した。
ECOWASの委員長はナイジェリアの首都アブジャで開催された会合で同組織を脱退したと主張するニジェール、マリ、ブルキナファソに対する経済制裁を解除すると表明した。
大統領警護隊らで構成される反乱軍は昨年7月、ニアメの大統領府を占拠し、バズム(Mohamed Bazoum)大統領とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。
ECOWASはニジェールとの貿易と人の往来を禁じ、加盟国ナイジェリアはニジェールへの電力供給を停止。さらにニジェールが加盟国内で保有する資産を凍結し、数億ドルの支援も差し止めた。
この制裁は軍政の支配下にあるニジェール、マリ、ブルキナを奮い立たせた。
3カ国は制裁に反発し、軍事同盟を結成。先月、ECOWASから脱退したと一方的に表明した。脱退手続きには1年以上かかる。
ECOWAS委員長はこの制裁解除について、「ニジェール国民の苦しみを和らげるためのものである」と強調した。
ECOWASは制裁解除の条件としてバズム氏の解放と民政復帰を求めていたが、いずれの条件も満たされていない。
ECOWASは同組織におけるマリ人の採用禁止も解除。おなじく軍政の支配下にあるギニアへの金融・経済制裁を再開した。
ECOWASは1975年に創設された経済共同体。現在の加盟国は15カ国。最近この地域で多発するクーデターに悩まされている。
脱退を主張する3カ国の指導者はロシアとの関係を強化。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、イスラム過激派掃討作戦を続けている。