◎マリの暫定大統領であるアシミ・ゴイタ大佐は今年2月に選挙を行うと約束していたが、直前に延期を決めた。
2022年3月25日/ガーナ、首都アクラで開催されたECOWAS首脳会議(Getty Images/AFP通信)

西アフリカを統括するECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)は26日、マリの軍事政権に対する経済制裁を維持することに合意したと発表した。

ECOWASはガーナの首都アクラで25日に首脳会議を開催した。首脳らはブルキナファソとギニアの軍事政権の状況についても議論した。

西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の司法裁判所は24日、マリに対する当局の制裁を違法と裁定し、解除を命じた。マリ政府は先月、制裁は国民の生活に深刻な影響を与えるとして訴えを起こしていた。

ECOWASはマリに対する通商および財政援助、貿易の優遇措置を停止している。

ECOWASのブルー議長は26日の声明で、「制裁を解除できる機関はECOWASのみである」と述べ、裁判所の判決に従わない方針を示した。

またブルー議長は、マリの文民統制を回復するために18~24カ月以内に民主的な選挙を行う必要があると強調した。

マリ軍は2020年8月以降、2度クーデターを起こし、昨年の攻撃で政府を追放し軍事政権を発足させ、今年2月に予定していた選挙を2026年に延期したため、ECOWASから制裁を科されることになった。

暫定大統領に就任したアシミ・ゴイタ大佐は当初、今年2月に選挙を行うと約束していたが、直前に延期を決めた。

ECOWASはブルキナファソのカボレ大統領の即時解放も求めた。カボレ大統領は1月の軍事クーデターで拘束され、首都ワガドゥグーで軟禁状態にある。

ブルキナファソ軍はアルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるジハード組織の暴力から国を守れなかったカボレ政権を避難し、国を守ると誓った。

ブルー議長はブルキナファソ軍が発表した36カ月間の移行案を却下し、直ちに文民統制を回復する必要があると要求した。

またブルー議長はブルキナファソに1カ月の猶予を与え、受け入れ可能な移行案を示すよう求めた。

ギニアのクーデターについても同様の見解を示している。

ブルー議長は、「ギニア軍は4月22日までに民主的な選挙に向けたタイムラインを提示しなければならず、応じなければさらなる制裁に直面することになるだろう」と警告した。

マリ、ブルキナファソ、ギニアの3カ国はECOWASの加盟国だが、現在資格停止中である。

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