コンゴ南部のエボラ感染者38人中31人死亡、WHOが発表
これまでに900人以上の濃厚接触者が特定された。
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世界保健機関(WHO)は18日、コンゴ民主共和国の南部・中央カサイ州で確認されたエボラ出血熱の感染者38人中31人が死亡したと明らかにした。
それによると、これまでに900人以上の濃厚接触者が特定されたという。先週末時点の死者数は16人であった。
WHOは14日からこの地域でエボラワクチン接種を開始。500人以上の医療従事者と濃厚接触者が接種したと報告している。
WHOは約4万5000回分のワクチンを確保し、今後、接種ペースは加速する見込みだ。国内には2000回分のエボラワクチンも備蓄されている。
当局は今月初め、アンゴラに近い中央カサイ州でエボラ患者を確認したと報告した。
アフリカ疾病予防管理センター(CDC)は先週、感染エリアが2地区から4地区に拡大したと発表していた。
エボラ出血熱はエボラウイルスによって引き起こされる急性のウイルス性疾患で、非常に高い致死率を持つ。1976年にザイール(現コンゴ民主共和国)で初めて確認され、主にアフリカの熱帯地域で流行している。エボラウイルスはフィロウイルス科に属し、コウモリや霊長類などの動物が保有しており、これらの動物から人間へ感染する。
感染から2日から3週間の潜伏期間を経て症状が現れる。初期症状は発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感などインフルエンザに似たものから始まる。進行すると、吐き気、下痢、腹痛、さらには出血症状が現れ、体内外から血液が漏れ出す。最終的には臓器不全や出血性ショックを引き起こし、死亡することが多い。致死率は40%から90%と非常に高い。
エボラウイルスは主に感染者の体液(血液、汗、嘔吐物、尿など)を通じて人から人に感染する。感染者と密接に接触した医療従事者や家族が特にリスクを抱える。また、死体にもウイルスが含まれており、葬儀での接触が感染を広げることがある。
治療法は限られており、対症療法が主となるが、最近ではワクチン「rVSV-ZEBOV」が開発され、予防効果が高いことが確認されている。感染拡大を防ぐためには、感染者の隔離、体温監視、体液管理が重要で、早期発見と迅速な対応が鍵となる。
過去に何度も流行が発生し、特に2014年から2016年の西アフリカでの流行が最も大きかった。今後もエボラウイルスに対する研究と予防策の強化が求められている。