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アフリカのEバイク利用者「より柔軟なバッテリーネットワークを」

Eバイクはバッテリーを交換することで短時間で再稼働できる仕組みを持ち、従来のガソリンバイクよりも運用コストが抑えられるとして、首都ナイロビやモンバサを中心に急速に普及している。
2026年1月29日/ケニア、首都ナイロビ、電動バイク(AP通信)

アフリカ東部・ケニアで電動モーターサイクル(Eバイク)を利用するライダーたちが、バッテリースワップ(交換)ネットワークの柔軟性と互換性の拡大を求めて声を上げている。利用者は現在の仕組みでは移動や稼働に支障が出ていると訴え、ネットワークの標準化やオープンアクセスの充実を強く要求している。

Eバイクはバッテリーを交換することで短時間で再稼働できる仕組みを持ち、従来のガソリンバイクよりも運用コストが抑えられるとして、首都ナイロビやモンバサを中心に急速に普及している。業界をリードする企業にはSpiro、Ampersand、ARC Ride、Roamなどがあり、アフリカ最大のEバイク企業であるSpiroは1200を超えるバッテリーステーションを運営し、約6万台の電動バイクを展開している。

しかし現行のバッテリーシステムは、多くのメーカーが独自仕様のバッテリーと交換ステーションを提供する「縦割り」モデルで構築されており、異なるブランド間でバッテリーを自由に交換できない状況が続いている。このため、ライダーは特定ブランドのステーションしか利用できず、稼働エリアが制限されるだけでなく、遠方でバッテリーが切れた場合に移動不能となるリスクも生じる。さらに一部のシステムでは、長時間の非稼働後にバイクが遠隔でロックされてしまい、利用者が足止めを食う事例も報告されている。

この問題をSNSで発信している人気ポッドキャスターは、「バイクは購入したがバッテリーはメーカーの所有物であり、自宅で充電することもできない。利用できるのはメーカーのステーションだけなのは不公平だ」と述べ、バッテリーとステーションがブランドに依存しない標準化されたシステムの必要性を訴えている。

こうした状況に対して、ナイロビとモンバサでは昨年11月、数百人規模のEバイクライダーが街頭でデモを実施。プラカードを掲げ、「どこでもバッテリー交換できるネットワークを」と声を上げた。デモ参加者の一人は、「交換ステーションが見つからず待つたびに最大500ケニアシリングの損失が出る。収入を上げるために電動バイクに移行したが、現状では十分に稼げない」と訴えた。

電動バイクは交換可能なリチウムイオンバッテリーを搭載することで、燃料費とメンテナンス費を節約できるメリットがあり、多くの業者は日常的な運用費用を最大約40%削減できると説明する。しかし、都市中心部以外へのステーションの展開は依然として不十分で、郊外や地方に行くほどサービス網の空白地帯が広がるという課題が残る。

東アフリカ地域には89を超えるe-モビリティ企業が存在し、南部アフリカや西アフリカにも複数の企業が事業展開している。業界全体への投資額も増加しているが、バッテリースワップネットワークの非互換性は成長の大きな障壁となっていると指摘されている。

一方で、業界内にも変化の兆しが見える。Eバイク企業のAmpersandは1月、他メーカーの電動モーターサイクルにも対応可能なバッテリースワップネットワークのオープンプラットフォーム化計画を発表し、互換性のある車両であれば同社のインフラを利用できる仕組みを進めている。この取組はアフリカで初めての試みであり、バッテリー交換インフラへのアクセスを拡大する可能性があるとして業界から注目されている。

ライダーたちはバッテリーネットワークの柔軟化が実現すれば、移動の自由度が高まり、収入の安定化にもつながるとの期待を示し、今後の標準化の進展が注目される。

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