◎軍政の報道官は1日、国営テレビの演説で、MNLAのテロリストを率いる幹部8人を殺害したと明らかにした。
アフリカ西部・マリ軍が反政府勢力「アザワド解放民族運動(MNLA)」の幹部8人を殺害した。軍事政権の報道官が1日、明らかにした。
MNLAも声明を出し、アルジェリア国境に近い北部で軍のドローン空爆により8人の指導者が殉教したと認めた。
軍政の報道官は1日、国営テレビの演説で、MNLAのテロリストを率いる幹部8人を殺害したと明らかにした。
MNLAはトゥアレグ族の若者で構成され、独自に策定した北部地域の平和・安全・開発のための恒久的戦略枠組み(CSP-PSD)に基づき、「アザワド」という独立国家の建設を目指している。
軍政によると、死亡したのはトゥアレグ族の著名な酋長とみられる。
マリ軍政は2020年のクーデターで政権を掌握。旧宗主国フランスとの関係を断ち、ロシアに急接近した。軍政はその後、ロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながらイスラム過激派を掃討している。
しかし、国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織によるテロ攻撃は一向に収まらず、勢いを増しているように見える。
軍事アナリストは今回のMNLA幹部殺害について、「影響力のある酋長らを失ったことはMNLAにとって大きな損失だが、反政府感情はさらに高まり、イスラム過激派を巻き込んだ地上戦に発展する可能性がある」と指摘している。
MNLAは11月30日、北部地域で活動する武装集団を統合すると発表。「新グループの使命は独立国家アザワドの建設である」と強調した。