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スーダン準軍事組織RSFが市場を空爆、15人死亡 北ダルフール州

軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン、首都ハルツーム、国軍の兵士(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が北ダルフール州エルファーシル市内にある市場を空爆し、少なくとも15人が死亡、12人が負傷した。地元当局が24日、明らかにした。

それによると、事件は市中心部の市場で23日に発生。RSFのドローンが爆弾を投下し、その後自爆したという。

AP通信は病院当局者の話しとして、「女性を含む15人が死亡、12人が重軽傷を負い、病院で手当てを受けている」と報じた。

地元の人権団体も空爆があったことを確認。RSFの犯行と非難した。

RSFは声明を出していない。

軍事政権の報道官はSNSに声明を投稿。RSFが非武装の市民を虐殺していると主張した。

エルファーシルでは先週末にも市内のモスクがRSFの標的となり、少なくとも70人の礼拝者が死亡したばかりである。

それ以上の詳細は明らかになっておらず、エルファーシルはRSF部隊に包囲されているため、近づくことは困難である。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は先月末、軍政に対抗するもうひとつの政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の最高指導者に就任した。

RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。

エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。

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