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スーダン内戦でドローン攻撃激化、民間の死傷者急増、国連が警鐘


北コルドファン州の都市カドゥグリやディリングでは市場や住宅、病院などが攻撃対象になり、連日複数のドローン空爆が報告されている。
2023年6月8日/スーダン、首都ハルツーム郊外の砂漠地帯、避難民キャンプ(AP通信)

スーダン中部コルドファン地方でドローン攻撃が激化し、民間人の死傷者が増加するとともに、人道支援活動にも深刻な影響を及ぼしている。内戦は2023年4月に国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の対立から拡大し、開戦からまもなく3年を迎えるが、最新の戦闘では両勢力が戦術的にドローンを多用している。これにより戦闘地域の住民が直接的な被害を受け、救援物資の供給や医療支援の展開が困難になっている。

北コルドファン州の都市カドゥグリやディリングでは市場や住宅、病院などが攻撃対象になり、連日複数のドローン空爆が報告されている。最近では1週間で50人以上の民間人が死亡したとみられ、国連や支援団体が深刻な人道危機を訴えている。

さらに地元当局は最近、北コルドファン州の市場へのドローン攻撃で少なくとも28人が死亡し、数十人が負傷したと明らかにした。この攻撃は国軍によるものとされるが、軍側は民間インフラは標的にしていないと否定している。前週には北コルドファン州郊外で避難民を乗せた車両がドローン攻撃を受け、子どもを含む24人が死亡したとの報告もある。

国際機関の報告でも、ドローン攻撃による民間人の死傷者数は増加傾向にある。世界保健機関(WHO)は最近、一連のドローン空爆で幼稚園など複数の地点が攻撃され、114人が死亡したと発表した。この中には多数の子どもが含まれ、教育施設や医療施設を標的とする攻撃への懸念が高まっている。

こうした攻撃は物資輸送の妨げともなっている。国連やNGOが現地での人道支援を試みても、補給路が断たれたり、支援スタッフや輸送トラックが標的になる事例が相次いでいる。このため食料や医療物資の届け先が限定され、現地住民の飢餓や疾病のリスクが高まっている。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は支援活動を妨害する攻撃が国際人道法違反に当たる可能性があると指摘している。

OHCHRのターク(Volker Turk)高等弁務官はドローン攻撃による民間人への被害が繰り返されている現状に深い憂慮を示し、攻撃の即時停止と停戦交渉の開始を求めている。また、国際社会に対して武器供与の停止を呼びかけ、紛争の外部支援が戦闘激化に寄与しているとの懸念を示した。

背景には、RSFが戦術的な利点を求めてドローンによる偵察や打撃を多用するようになったことがあるとみられる。専門家は、ドローンは低コストで遠距離から攻撃できるため都市部や避難民集積地に大きな恐怖と混乱をもたらすと分析している。この戦術は戦局を左右する可能性がある一方で、民間人保護の観点からは重大な懸念を生んでいる。

コルドファン地方ではこのようなドローン戦が激しさを増す中、避難民の増加や社会基盤の破壊が進んでおり、内戦終結の見通しは立っていない。民間人の安全確保と安定した人道支援の再開が急務となっている状況だ。

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