チャドの軍施設にドローン攻撃、兵士3人死傷、スーダンから飛来か
攻撃はスーダン国境沿いの町にある軍施設で26日未明に発生。誰が攻撃したかは明らかになっていない。
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チャド東部のスーダン国境に近い軍事キャンプでドローンによる攻撃があり、チャド軍の兵士2人が死亡、1人が重傷を負った。現地メディアが26日に報じた。
それによると、攻撃はスーダン国境沿いの町にある軍施設で26日未明に発生。誰が攻撃したかは明らかになっていない。ロイター通信は地元当局の話しとして、「責任者についての情報はなく、誰が関与しているか分からないと」と報じた。
軍当局によると、ドローンはスーダン側から飛来した可能性があるものの、スーダン軍か準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」によるものかは確認できていないという。
ロイターは情報筋の話しを引用し、「ドローンの出所を確認中であり、もしスーダン軍のものと判明すれば報復する可能性がある」と伝えている。
この攻撃を受けて、チャド東部の都市にある空軍基地は警戒態勢を強化し、攻撃を受けた施設に増援部隊を送ったとされる。スーダン軍およびRSFはこの件についてコメントを出していない。
攻撃を受けた施設はスーダン内戦から逃れた難民が一時滞在することで知られている。人道支援団体によると、内陸の安全なキャンプへ移送するための水や衛生設備、避難所の資金不足が移転作業を遅らせているという。スーダン内戦は複数の勢力間の争いが続き、これまでに1400万人以上が国内外で避難を余儀なくされていると国際レスキュー委員会(IRC)は報告している。
チャド政府はスーダン内戦に対して中立の立場を取っているが、国境付近では過去にも武装勢力の越境攻撃や衝突が発生しており、国境地域の安全保障は常に大きな課題となっている。今回のドローン攻撃がスーダン内のどの勢力によるものかが判明していないため、地域の緊張は高まっている。国際社会や近隣諸国はこのような越境事件が地域全体の安定に悪影響を及ぼす可能性を懸念している。
チャド軍は今後も国境沿いの防備を強化するとみられ、関係国との情報共有や外交的な対話を模索する動きが続く見込みだが、現段階では具体的な対応方針は明らかになっていない。
