◎この宗教団体は8月30日から国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)に撤退を求めるデモを行っていた。
2023年8月30日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、MONUSCOの駐留に反対する宗教団体のデモ(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国・北キブ州ゴマで治安部隊と宗教団体が衝突し、少なくとも43人が死亡、56人が負傷した。現地メディアが1日に報じた。

それによると、この宗教団体は8月30日から国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)に撤退を求めるデモを行っていたという。

地元警察はこのデモを許可したが、暴動に発展したため、厳しく取り締まったとみられる。

AP通信は関係者の話しとして、「治安部隊の弾圧で負傷した数十人が病院に搬送され、手当てを受けている」と伝えた。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、1日のデモに参加した市民220人以上が逮捕されたという。

UNHCRのコンゴ事務所は声明で、「市民には国連を含む団体に抗議する権利、平和的な集会を開く権利がある」と述べている。

デモが暴動に発展した経緯は明らかになっていない。

一部の専門家は「西側諸国と敵対する勢力が宗教団体を煽り、暴徒にMONUSCO基地を攻撃させた」と指摘している。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は1日、治安部隊の取り締まりを「虐殺」と呼び、非難した。

HRWのコンゴ担当によると、治安部隊はゴマの通りに集まったデモ隊を解散させるために実弾を使用したとみられる。

MONUSCOは1999年から同国で活動している。国連によると、東部地域の30年にわたる紛争により、市民600万人以上が避難を余儀なくされたという。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

武装勢力の活動目的は様々だが、その多くが土地や貴重な鉱物が採れる鉱山の支配権を争ったり、地元コミュニティを守るために戦っている。

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