◎政府は昨年9月、MONUSCO(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション)に撤退を命じた。
2022年3月29日/コンゴ民主共和国、東部地域を巡回する国連平和維持ミッション(Djaffar-Sabiti/ロイター通信)

コンゴ民主共和国政府は13日、同国東部に駐留するMONUSCO(国連コンゴ民主共和国安定化ミッション)の活動継続を許可する可能性があると表明した。

外務省の報道官は声明で、「ルワンダ政府の支援を受けるM23(3月23日運動)が東部地域にとどまる限り、MONUSCOは活動を継続できる」と主張した。

MONUSCOは2010年に活動を開始。前PKOの任務を引き継ぎ、民間人と人道支援要員を保護し、中央政府の安定化と平和定着の努力をサポートしてきた。

しかし、任務開始後もテロ組織による暴力が収まることはなく、東部地域の市民はMONUSCOに対する不満を募らせ、大規模な抗議デモに発展。時には死傷者が出ることもあった。

こうした事態を受け、政府は昨年9月、MONUSCOに撤退を命じた。先月にはこの第一段階として、南キブ州の部隊が完全撤退したばかりである。

M23と政府は戦争状態にある。

MONUSCOは年末までに全部隊を撤退させる予定だ。

外務省の報道官は声明で、「MONUSCOは東部の戦況次第で活動を継続できると考えている」と述べたが、残留を要請するかどうかは明らかにしなかった。

国連によると、今週だけで3000〜4000人のルワンダ軍兵士がM23を支援したり、戦地で作戦に関与したという。

コンゴ政府は12日、M23とルワンダ政府が停戦協定を無視していると非難した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。

この紛争に巻き込まれて死亡した民間人は数千人と推定されているが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も全く立っていない。

東部地域では現在、700万人以上が避難生活を余儀なくされている。

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