◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国・北東部イトゥリ州の集落にイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」が押し入り、住民少なくとも16人を殺害、20人を拉致した。地元の民兵が16日、明らかにした。
それによると、ADFは14~16日にかけて郊外の複数の集落を襲撃し、農作業中の住民を殺害。家屋に火を放ち、家畜を略奪したという。
AP通信の取材に応じた地元民兵の報道官は「拉致された20人が生きているかどうかは分からない」と語った。
地元テレビ局は関係者の話しとして、「地方政府の役人の母親と妹も拉致されたとみられる」と伝えている。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
イトゥリ州と北キブ州では同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」やADFが猛威を振るっている。両組織と中央政府は戦争状態にある。
両州郊外の数百の集落は権力と鉱物資源をめぐる争いに巻き込まれ、過激なイデオロギーを持つ武装勢力に包囲され、孤立している。
この暴力は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難生活を余儀なくされている。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
米国務省はADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に500万ドルの報奨金をかけている。