◎EUおよび米国から寄付された26万5000回分のワクチンは紛争が続く東部・北キブ州ゴマの医療機関に送られ、接種が始まった。
M痘(エムポックス)感染者のサンプル(World Health Organization)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国でM痘(エムポックス)のワクチン接種が始まった。現地メディアが4日に報じた。

それによると、EUおよび米国から寄付された26万5000回分のワクチンは紛争が続く東部・北キブ州ゴマの医療機関に送られ、接種が始まったという。

M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。

重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。

死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。

世界保健機関(WHO)は8月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

今年コンゴで報告されたM痘感染者は約3万人超。死亡者数は859人。アフリカ大陸で報告された全患者の80%以上、全死亡者の99%を占めている。

アフリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、コンゴの26州すべてで感染者が報告されている。そのほとんどが15歳以下の子供である。

今回のワクチン接種対象は成人のみ。医療従事者を含む第一線の労働者とリスクの高い人々に投与される。

アフリカCDCによると、300万回分の小児用M痘ワクチンが数日中に日本から届く予定。

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