◎コンゴ東部地域で紛争に巻き込まれた市民はルワンダに対する制裁を歓迎している。
コンゴ民主共和国東部で武装勢力の暴力が拡大する中、同国とルワンダの関係がゆっくり悪化している。
コンゴは28日、ルワンダ政府が東部地域で活動する反政府勢力「3月23日運動(M23)」を支援しているとして、ルワンダ航空に運航停止を命じた。
ルワンダ政府はM23とのつながりを強く否定している。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡した。
ルワンダ軍は28日、兵士2人がパトロール中に誘拐され、コンゴ東部で活動する武装勢力「ルワンダ解放民主軍(FDLR)」の人質になったと明らかにした。
東部地域で紛争に巻き込まれた市民はルワンダに対する制裁を歓迎している。
北キブ州ゴマの集落から避難したという男性はアフリカニュースのインタビューの中で、「ルワンダ政府は今こそ暴力を止め、平和への道を追求すると約束すべきです」と語った。「多くの目撃者がM23の戦闘員はルワンダから集落に攻め込んできたと説明しています...」
M23を含む武装勢力はゴマ周辺でコンゴ軍と対峙しているとみられる。この1週間で避難を余儀なくされて市民は10万人近くに達したと伝えられている。
避難民の支援にあたっている人権団体はSNSに、「コンゴ政府の制裁を歓迎するが、足りない。より厳しい措置が必要だ」と投稿している。
コンゴ東部では120以上の武装勢力が活動しているとされ、その多くが第二次コンゴ戦争時に発足したと考えられている。
2019年のチセケディ(Felix Tshisekedi)大統領就任後、コンゴとルワンダの関係は和らぎ始めたが、M23の暴力が再燃したことで、再び緊張が高まっている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、北キブ州では少なくとも190万人が避難生活を送り、全国の避難民は600万人近くに達したとみられる。