◎コンゴ軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」は北キブ州郊外で激戦を繰り広げているとみられる。
2022年11月16日/コンゴ民主共和国、東部の北キブ州郊外、州都ゴマに避難する人々(Getty Images)

コンゴ民主共和国東部で活動する赤十字国際委員会(ICRC)は21日、北キブ州の州都ゴマに避難民が押し寄せていると報告した。

ICRCはこの地域に医療施設を設置し、無料診察と治療を行っている。

報道によると、ゴマの北東部にある集落で新たな戦闘が勃発し、宗教行事が中止されたという。

コンゴ軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」は北キブ州郊外で激戦を繰り広げているとみられるが、戦況はほとんど明らかになっていない。

ICRCの医療施設にたどり着いた女性はAFP通信の取材に対し、「爆弾攻撃で夫が亡くなった」と語った。「自宅が爆破され、右足を負傷しました。夫は死にましたが、私は何とかここまで避難できました...」

女性は州郊外の集落で戦闘に巻き込まれたようだ。女性によると、地元の医療機関職員もひとり残らず避難していたため、ゴマに移動するしかなかったという。

ゴマのICRC事務所はツイッターに声明を投稿。「この数週間で9人を治療したが、負傷者の数が多すぎて手が回らない」と述べ、国際社会に緊急支援を要請した。

ICRCによると、「未知の数の負傷者」が前線近くに取り残されているという。

ゴマのICRC事務所は負傷者を移送する「人道回廊」を開設するよう求めている。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。

コンゴ政府はルワンダ政府がM23を支援していると非難しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

この紛争に巻き込まれた市民は数十万人と推定され、この数週間で20万人以上がゴマに避難したと報告されている。

東アフリカ共同体(EAC)は現在、この紛争を終結させる取り組みを進めている。

2022年11月16日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマの避難所(Getty Images)
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