◎ルワンダと国境を接するコンゴ東部では武装勢力と軍の戦闘が続いている。
ルワンダ政府は7日、コンゴ民主共和国軍の戦闘機が領空を侵犯したと発表した。
両国は2日前に緊張を緩和することに合意したばかりである。
大統領府の報道官は声明で、「コンゴ軍の戦闘機が11時20分にルワンダ領空を侵犯し、西部の空港に短時間着陸した」と明らかにした。
報道官によると、ルワンダ軍は戦闘機をスクランブル発進させず、コンゴ軍に帰還を呼びかけたという。コンゴの戦闘機はまもなく自国に戻ったとされる。
報道官は「コンゴ政府に抗議し、同政府は領空侵犯が事実であることを認めた」と述べている。
両国の外相は5日にアンゴラで会談し、今年7月に締結した敵対行為の停止と紛争地域の混乱を抑える取り組みを加速させることに合意した。
ルワンダと国境を接するコンゴ東部では武装勢力と軍の戦闘が続いている。
この地域に拠点を置く反政府勢力「3月23日運動(M23)」はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。
コンゴ政府はルワンダがM23を支援していると非難しているが、ルワンダ政府はこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
専門家によると、M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているという。
コンゴ政府は先月末、駐ルワンダ大使に国外退去を命じ緊張を悪化させた。
国連安全保障理事会が委任した調査委員会は8月、ルワンダとM23の関与を示す証拠があると報告した。
米国も先週、ルワンダ政府による組織的なM23への支援に再度懸念を表明した。
コンゴ東部では国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)に抗議する小規模なデモも行われている。
ケニアは先週、東アフリカ共同体(EAC)の合同部隊の一部をこの地域に派遣すると発表した。
国連によると、先月20日以降にこの地域から逃れた市民は5万人に達したという。