◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国で活動する人権団体は8日、東部地域に拠点を置くイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」が民間人18人を殺害したと明らかにした。
それによると、事件は北東部イトゥリ州の3つの集落で先週末に発生。ADFの戦闘員はナタや斧で住民を虐殺し、集落に火を放ったという。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
武装勢力の活動目的は様々だが、その多くが土地や貴重な鉱物が採れる鉱山の支配権を争ったり、地元コミュニティを守るために戦っている。
東部地域で活動する人権団体CRHR(Convention for the Respect of Human Rights)は声明で、「テロリストは多くの女性や子供を誘拐した」と述べている。
国連によると、ADFの攻撃は最近増加傾向にある。4月にはイトゥリ州内で30人以上、先月には東部・北キブ州で少なくとも17人が殺害された。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばからコンゴ東部に拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
国連によると、昨年4月以降、ADFの攻撃により数百人が死亡し、今年1月~2月にかけて14万4000人以上が避難を余儀なくされたという。
コンゴ軍とウガンダ軍はADFを含む反政府勢力を押し返そうと努力しているが、成果はほとんど出ていない。
コンゴ東部では同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」による攻撃も続いている。政府とM23は戦争状態にあり、戦闘が終結する目途は全く立っていない。
専門家によると、ADFは2021年に政府とM23の戦闘が激化したスキをついて、北キブ州からイトゥリ州に進出したとみられる。