◎北キブ州はコンゴ第二の都市。人口は650~700万人と推定されている。ゴマはルワンダと国境を接する都市で人口は25~30万人。
2022年5月24日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外の道路(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国東部で11日、軍と反政府勢力の戦闘が激化し、多くの市民が避難を余儀なくされた。

AFP通信によると、北キブ州の州都ゴマ近くでも爆発音を確認できたという。

AFPの取材に応じた地元住民は、ゴマから30kmほどの地点で軍と反政府勢力「3月23日運動(M23)」の戦闘が本格化したと説明した。

北キブ州はコンゴ第二の都市。人口は650~700万人と推定されている。ゴマはルワンダと国境を接する都市で人口は25~30万人。

AFPによると、前線近くの集落から多くの住民が避難しているという。

ある住民は「銃声を聞き、怖くなって逃げた」と語った。

ゴマにつながる主要幹線道路周辺でも爆発音が聞こえたと伝えられているが、政府と軍は声明を出しておらず、戦況も不明だ。

AFPはゴマ郊外で少なくとも戦車1台と軍用車1台が走り去るところを確認したと報じている。

またAFPは治安筋の話を引用し、「ゴマと郊外の水力発電所を結ぶ高圧送電線が損傷した」と報じた。

地元メディアとSNSによると、北キブ州の広い範囲で停電が発生し、100万人以上が影響を受けているとみられる。

コンゴ空軍は今週、M23が占領した拠点を爆撃した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させた。

コンゴ政府はルワンダ政府がM23を支援していると非難しているが、ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。

2022年7月25日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマの国連PKO基地前(Getty Images/AFP通信)
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