◎デモ隊は東部地域で蔓延している暴力に国連が対応できていないと非難し、撤退を要求している。
2022年7月27日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマの国連基地近く、デモ隊と治安部隊(Moses Sawasawa/AP通信)

コンゴ民主共和国の警察当局は1日、東部の都市ゴマの反国連暴動を取り締まり、抗議者約100人を解散させたと報告した。

北キブ州ゴマの国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)に抗議するデモは暴動に発展し、PKO要員3人を含む20人以上が死亡、数十人が負傷した。

北キブ州とウガンダの国境近くで7月31日に発生した暴動では、MONUSCOの兵士が市民に発砲したと伝えられている。

北キブ州を含む東部地域ではアルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのあるジハード組織を含む120以上の武装勢力が活動している。これらの武装勢力は鉱物資源が豊富な東部の領土を争いつつ、民間人や兵士に攻撃を仕掛けている。

コンゴとウガンダの合同軍はこの地域で1年間緊急作戦を展開しているが、治安は悪化の一途をたどっており、怒りの矛先が国連に向けられた。

抗議デモを主催する団体は声明で、「国連はMONUSCOの暴力で負傷した人々の医療費を負担しなければならない」と述べている。

また団体は暴徒がPKO要員を殺害したことについて、「暴力で問題を解決することはできない」と述べ、暴徒を非難した。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長はMONUSCO兵士による市民への攻撃に深刻な懸念を表明し、チセケディ(Felix Tshisekedi)に謝罪したと明らかにした。

国連は声明で、「事務総長は人命の損失を嘆き、悲しんでいます。遺族、コンゴの全市民、コンゴ政府に深い哀悼の意を表します」と述べている。

またグテレス氏はこの事件に関する当局の調査を歓迎し、適切な判決が下されることを望んでいるとした。

国連は政府勢力「3月23日運動(M23)」に無条件の撤退を要求し、さらに、東部地域で活動する全ての武装勢力に直ちに暴力を停止するよう求めている。

一方、MONUSCOは1日、暴徒に殺害された兵士3人の合同葬儀と式典を行い、敬意を表した。式典には国連事務次長も出席した。

コンゴ政府はゴマに代表団を派遣し、MONUSCO本部を視察。その後、デモ参加者と会談した。

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