◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国の地元当局は26日、東部・北キブ州の集落で少なくとも60人の遺体が発見されたと明らかにした。
AP通信は目撃者の話しとして、武装勢力「3月23日運動(M23)」が州都ゴマ郊外の2つの集落を襲撃し、住民を虐殺したと報じた。
地元テレビ局の取材に応じた当局者は、「少なくとも60人の遺体を発見し、その多くが鋭利な刃物で切り刻まれていた」と語った。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、州都ゴマ近郊まで支配地域を拡大したと伝えられている。
地元のNGOや活動家はM23が大量虐殺、拷問、レイプ、誘拐などを行ったと糾弾している。
M23は今月初め、政府との停戦協定の一環として、獲得した領土の一部を放棄したと伝えられている。しかし、地元住民によると、まだ多くの地域がM23の支配下に置かれているという。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
北キブ州の暴力は隣のイトゥリ州にも波及。同州では武装勢力「コンゴ開発協同組合(CODECO)」が攻撃を激化させ、この数週間で市民数百人が虐殺されたとみられる。
イトゥリ州政府は25日、近郊の集落で住民19人がCODECOの戦闘員に処刑されたと明らかにした。
CODECOは東部地域に拠点を置く宗教団体。コンゴで最も危険な武装勢力のひとつとされ、複数の大量虐殺に関与したと告発されている。
国連は昨年末、武装勢力の支配下に置かれた地域の住民が暴力と違法な課税に直面し、この数カ月で数十万人が避難を余儀なくされたと報告した。