◎軍事政権はコメントを出しておらず、正確な死傷者数を知る術はない。
2024年8月9日/スーダン、西部ダルフール地方の避難所(ロイター通信)

アフリカ北東部・スーダン準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が中部ジャジーラ州で少なくとも124人の市民を殺害したとみられる。現地メディアが26日に報じた。

AP通信は現地で避難所などを運営するNGOの話しとして、「RSFはジャジーラ州のいくつかの集落や町を襲い、わずか数日で少なくとも124人が死亡、200人以上が負傷した」と伝えている。

それによると、ある集落では1日で50人以上が殺害されたとみられる。

殺戮を目撃したという活動家はAFP通信の取材に対し、「25日の攻撃で少なくとも50人、全体の死者は100人を超え、数百人が行方不明という情報もある」と伝えている。

軍事政権はコメントを出しておらず、正確な死傷者数を知る術はない。

軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。

激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

軍政とRSFは現在、ハルツームと北ダルフール州エルファーシルで激戦を繰り広げているとされる。

RSFはダルフール5州のうち4州(東、西、中央、南)を支配するも、軍政とその支援民兵が激しい抵抗を続ける北ダルフール州の制圧には苦戦している。

国連によると、北ダルフール州では約70万人の国内避難民が飢餓に直面し、いつ餓死してもおかしくない状況に置かれているという。

RSFはエルファーシルを5ヶ月間にわたって包囲し、市民に耐えがたい痛みと苦しみを与えている。そこで生活する市民は280万人と推定され、脱出する手段もなく、十字砲火にさらされている。

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