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ジブチ大統領選、現職のゲレ氏(78歳)が圧勝=国営メディア


今回の選挙は10日に投票が行われ、ゲレ氏はよく知られていない対立候補を圧倒した。
アフリカ北東部・ジブチのイスマイル・オマル・ゲレ大統領(AP通信)

ジブチで10日に実施された大統領選挙で、現職のゲレ(Ismail Omar Guelleh、78歳)大統領が得票率97.8%という圧倒的な支持を得て再選され、6期目の続投が決まった。国営メディアが11日に報じたもので、同氏は1999年の就任以来、約27年にわたり政権を維持している。

今回の選挙は10日に投票が行われ、ゲレ氏はよく知られていない対立候補を圧倒した。選挙管理委員会によると、野党候補の得票率は約2%にとどまり、選挙戦は事実上、競争性に乏しい構図となった。

背景には主要野党のボイコットがある。ジブチでは複数の有力野党が2016年以降、選挙の公正性に疑問があるとして参加を見送っており、今回も同様に不参加を決めた。このため、選挙は形式的には複数候補による争いであっても、実質的には現職の信任投票に近い状況となった。

ゲレ氏は78歳で、1999年に初代大統領である叔父の後継として政権を引き継いだ。これまで憲法改正によって任期制限が緩和されてきた経緯があり、直近では議会が大統領候補の年齢上限を撤廃したことで、今回の立候補が可能となった。

投票率は約80%、選管は選挙が平穏に実施されたと強調している。一方で国際的な人権団体などは野党やジャーナリストへの圧力、政治的自由の制限を指摘し、選挙の公正性に対する懸念は根強い。政府側はこうした批判を否定している。

ジブチは人口100万人未満の小国ながら、紅海とアデン湾の結節点に位置する戦略的要衝である。米国、中国、フランス、日本など複数の国が軍事拠点を置き、内陸国エチオピアの物流拠点としても重要な役割を担う。この地政学的重要性が、同国の安定志向の政治体制を支える一因ともなっている。

近年は港湾インフラ整備などを通じて経済成長を図ってきた一方、政権の長期化と民主主義の停滞を懸念する声もある。2020年には内部告発をきっかけに抗議デモが発生し、治安部隊が鎮圧する事態になった。

今回の圧勝により、ゲレ政権の長期支配はさらに続く見通しとなった。安定と引き換えに政治的多様性が制限されている現状が、今後の国内政治や国際社会との関係にどのような影響を及ぼすかが注目される。

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