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スーダン・ダルフール地方の病院空爆、死者70人に=WHO


攻撃は3月20日、エルダイン市内にある病院に対して行われた。無人機(ドローン)による空爆とみられ、建屋の一部が倒壊した。
2014年7月13日/スーダン、ダルフールの集落(Getty Images/AFP通信)

スーダン西部ダルフール地方の病院が空爆を受けた事件について、世界保健機関(WHO)は24日、死者数が70人に達したと明らかにした。

現場は東ダルフール州の州都エルダインにある病院。WHOはジュネーブの記者団に対し、瓦礫の下から新たに遺体が発見されたことで、犠牲者数は70人に達し、その中には女性や子ども、医療従事者も含まれていると明らかにした。

攻撃は3月20日、エルダイン市内にある病院に対して行われた。無人機(ドローン)による空爆とみられ、建屋の一部が倒壊した。この結果、負傷者は146人に上り、同院は機能停止に追い込まれた。

この病院は周辺地域の数百万人に医療サービスを提供する中核施設であり、外来や救急部門も大きな被害を受けた。すでに過去の攻撃でも損傷を受けていたが、今回の空爆により完全に使用不能となり、地域住民は基本的な医療へのアクセスを失った。

WHOの現地責任者は今回の攻撃を「残虐行為」「戦争犯罪」と非難し、医療施設や医療従事者への攻撃は国際人道法に反する可能性があると指摘した。また、負傷者の中には患者やその家族、医療スタッフも含まれ、医療体制そのものが標的となっている現状が浮き彫りになった。

空爆の実行主体は特定されていないが、この地域は準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の支配下にある。スーダンでは2023年4月以降、軍事政権とRSFの間で激しい戦闘が続いており、都市部や民間施設を巻き込む攻撃が相次いでいる。

近年、双方がドローンの使用を増やし、国連によると、2026年に入ってからだけでも数百人の民間人がドローン空爆で死亡している。特に市場や避難民キャンプ、医療施設といった非軍事目標への攻撃が続き、人道状況が急速に悪化している。

スーダン内戦はすでに数万人規模の死者と1400万人以上の避難民を生み出し、食料不足や医療崩壊も深刻化している。今回の病院攻撃は紛争が単なる軍事衝突にとどまらず、市民の生命線である医療インフラを直接破壊している現実を示すものとなった。

WHOはすべての紛争当事者に対し、医療施設の保護と国際法の順守を強く求めるとともに、即時の停戦と人道支援の確保を訴えている。しかし戦闘は収束の兆しを見せておらず、医療体制の崩壊による二次的被害の拡大も懸念されている。今回の惨事は国際社会に対し、紛争解決に向けた一層の関与を迫るものとなっている。

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