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武装集団が集落襲撃、32人殺害 ナイジェリア中部

武装集団はバイクで移動していたとみられ、生存者は「盗賊団が村に押し入り銃を乱射した」と証言している。
ナイジェリア北部、イスラム過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア中部ナイジャ州で正体不明の武装集団が複数の集落を襲撃し、少なくとも32人が死亡した。地元当局が14日、明らかにした。それによると、事件は同州郊外の3つの集落で14日早朝のほぼ同時刻に発生したという。武装集団はバイクで移動していたとみられ、生存者は「盗賊団が村に押し入り銃を乱射した」と証言している。

州警察の報道官は1つの集落で6人が殺害され、複数の住民が拉致された可能性があると声明を出した。さらに、地元住民は別の2集落で26人が処刑されたと説明した。警察によると、治安部隊が現場に派遣され、被害状況の確認と救出作戦を進めているという。

襲撃が起きた地域は人里離れた農村部、厳しい治安情勢が続く北中部地方の一角である。近年この地域では地元で「バンディット」と呼ばれる武装集団による襲撃や略奪、拉致が常態化し、犠牲者や行方不明者が多数出る事態が繰り返されている。また、襲撃の手口は夜間や夜明けに多数がバイクで移動し、無差別攻撃や略奪を行うもので、警戒が困難な特徴を持つと報じられている。

ナイジャ州に隣接するクワラ州でも今月初めの大規模襲撃で162人が死亡したばかりである。この虐殺は地域全体の治安危機の深刻さを改めて浮き彫りにした。クワラ州の事件では同様に武装集団が集落を襲い住民を殺害、家屋や店舗を破壊したと伝えられており、中央部での暴力の激化が懸念されている。

中央政府はこれまでも武装集団への対策として軍や警察を投入してきたが、広大な農村地帯の複雑な地形や分散して活動するグループへの対応は困難を極めている。襲撃の背景にはイスラム過激派や犯罪組織の存在があり、これらが住民の拉致や身代金目的の誘拐、武装行為を続けているとの指摘がある。

国際社会の一部からは、ナイジェリア当局がキリスト教徒など特定宗教コミュニティの安全保護に失敗しているとの批判も出ている。米国は一連の襲撃を受け、ナイジェリアへの支援を強化した。昨年12月以降、両国はナイジェリア領内で武装勢力を標的とする米軍の支援作戦や情報共有の枠組みを進めており、治安維持のための支援体制強化を図っているという。

住民の避難や犠牲者家族への支援が進む一方で、現地の治安回復には依然長い時間と包括的な対策が必要であると専門家は指摘する。ナイジェリア政府は現地コミュニティへの警備強化と武装集団の壊滅を目指す方針を示しているが、根深い治安不安の解消には政治的、経済的な安定化策も不可欠だ。

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