◎ルジジダムはコンゴ最大の発電量を誇る水力ダムで、地域の電力安定供給に欠かせない存在である。
2022年2月1日/コンゴ民主共和国とルワンダの国境付近を流れる水路(Getty Images/AFP通信)

コンゴ民主共和国とルワンダの国境沿いに建設されたルジジ水力発電ダムはタービンを塞ぐほどのプラスチックゴミに悩まされている。

ルジジダムはコンゴ最大の発電量を誇る水力ダムで、地域の電力安定供給に欠かせない存在である。

ルジジ第一発電所のチズング所長はAFP通信の取材に対し、「ここに流れ着くゴミはダム湖と上流の川に投げ捨てられたもの」と説明した。

ダムのある南キブ州ブカブ市の地形は峻嶮で雨も多く、電力会社は対応に苦慮している。

国営電力会社SNELでルジジダムの運営を担当するムレマンガボ氏はAFP通信に、「山間部や村で廃棄されたゴミは雨水に乗ってダム湖に到達します」と述べた。

チズング所長によると、タービン周辺の水深は約14mで、ゴミにほぼ覆われているという。保守作業員は船で表面のゴミを、専門のダイバーは水中でゴミを回収する。

保守作業員のムバラマ氏は毎日ボートで水面を掃除している。同氏はAFPに、「この仕事を始めて13年になります。毎日、ゴミを片付けなければならないんだ」と語った。

作業員たちはダム湖だけでなく河川でも掃除を行っているが、ゴミの量に圧倒されている。チズング所長によると、1月末に4基ある発電所のうち1基(第二発電所)がゴミ詰まりで損傷し、停止している。

SNELの担当者は、「当社は南キブ州だけでなく隣の北キブ州や隣国ブルンジにも電力を供給しなければならないため、第二発電所の停止は痛い」と語った。復旧の見通しは立っていないとのこと。

チズング所長は周辺住民の意識を改革する必要があると述べた。「川や湖はゴミを捨てるところではないという意識改革が必要です。そして、川に投げ込んだゴミはダムに流れ着き、電力の安定供給を脅かすということも理解してもらう必要があります」

またチズング所長は湖にゴミを大量に投棄する企業や業者を取り締まる必要があると述べた。

ダム湖の近くに住む主婦のビンジャ氏はAFP通信の取材に対し、「この地域は狭いエリアに住宅が密集しており、ゴミを回収するシステムもうまく機能していないため、仕方なく川にゴミを捨てている」と語った。

河川やダム湖の近くにある住宅地はゴミが散乱しており、ゴミ収集は行われていないように見える。

ブカブ市の家庭ごみ管理プログラムの責任者であるマリヤンガ氏は、「市内のごみ収集と処理を定期的に行っているが、ゴミの量に圧倒されている」と説明した。

またマリヤンガ氏は、「多くの住民がゴミ袋にゴミをまとめることと、専用の収集場所にゴミを持っていくことをめんどくさがっている」と述べた。「多くの住民が道路にゴミを捨て、湖の近くに住んでいる人は湖にゴミを捨てることを好みます...」

ゴミを捨てずに回収する住民もいる。

回収したプラスチックゴミを再利用する民間企業プラスティコー社を立ち上げたメネメネ氏はAFP通信に、「ゴミはバスケット、植木鉢、ごみ箱、スツール、台座テーブルなどに生まれ変わります」と語った。

メネメネ氏は10人の従業員と共に毎日ゴミを回収している。

従業員のひとりは、「川とダムを清掃するだけでなく、そこで回収した廃棄物を便利で美しい家具やオブジェに生まれ変わらせることで国の産業に貢献したい」と語った。

メネメネ氏によると、現在回収は手作業で行っているが、近いうちに機械化する予定だという。

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