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▽カビラ氏は同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)の反乱を支援したとして、人道に対する罪で指名手配されている。
コンゴ民主共和国、チセケディ大統領(右)とカビラ前大統領(ロイター通信)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国のカビラ(Joseph Kabila)前大統領は23日、自身の免責特権を解除する議案を議会上院が可決したことを非難した。

カビラ氏は同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)の反乱を支援したとして、人道に対する罪で指名手配されている。

議会上院は23日、カビラ氏の免責特権を解除する議案を賛成88ー反対5で可決した。

内務省もカビラ氏の政党PPRDに活動停止を命じ、資産の差し押さえを進めている。

カビラ氏は南アフリカの記者団に対し、「コンゴの司法制度はその責任を完全に放棄し、政治目的のために公然と利用されることを許している」と批判した。

またカビラ氏は「チセケディ独裁政権は生き延びることしか考えていない卑怯者の集まりである」と主張した。

カビラ氏は2001年から2019年まで大統領を務め、自身に対する激しい抗議デモの後、退陣した。

コンゴ東部ではルワンダ政府の支援を受けるM23が猛威を振るっている。コンゴ政府はこの紛争における今年の死者数が7000人を超えたと報告している。

M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助を停止した。

コンゴ川同盟は3月、支配下に置いた北キブ州の要衝ワリカレから部隊を撤退させると表明。国連はこの決定を歓迎し、撤退を機に停戦交渉を加速させるよう促した。

しかし、M23はその後、国軍とその支援民兵がワリカレに攻撃ドローンを送り込んできたと主張。撤退を取り消した。

ワリカレの人口約1万5000人。ゴマの北西約125キロに位置し、第4の都市キサンガニの400キロ圏内にある。

東部4州の主要道路がワリカレを通過する。国軍はこの町を失ったことで、東部4州の主要都市にアクセスしづらくなった。

双方は紆余曲折の末、互いに歩み寄る姿勢を見せ、M23はワリカレから部隊を撤退させたとみられる。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

M23はブカブ近郊の空港も占拠した。

国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。

内務省は検察がカビラ氏に対する刑事手続きを開始したと述べているが、詳細は明らかになっていない。

カビラ氏は先月、M23の支配下にある北キブ州ゴマに入り、その幹部と会談した。

チセケディ(Félix Tshisekedi)大統領はカビラ氏がM23を外交面で支援していると主張している。

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