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▽M23が主導する「コンゴ川同盟」は先月末に東部・北キブ州の州都ゴマを制圧。南キブ州ブカブに進軍した。
2025年2月1日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外の避難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の南キブ州ブカブに反政府勢力M23(3月23日運動)が侵攻し、軍と激しい戦闘を繰り広げている。現地メディアが15日に報じた。

M23が主導する「コンゴ川同盟」は先月末に東部・北キブ州の州都ゴマを制圧。南キブ州ブカブに進軍した。

M23は今月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いているとみられる。

国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。

ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中とみられる。

ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。

コンゴ政府は15日、ルワンダ軍に撤退を求め、領土を守ると誓った。

AP通信によると、M23は14日夜にブカブ北部郊外の集落に到達したという。ブカブ市内の一部地域では戦闘が起きているとみられる。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。

M23はブカブから30キロほど離れた地点にある空港も占拠したとみられる。政府と軍はコメントを出していない。

コンゴのスミンワ(Judith Suminwa)首相は15日、ロイター通信のインタビューで、「コンゴの主権を守る。領土の完全性を守らなければならない」と述べ、ルワンダ政府を非難した。

ゴマとブカブが大混乱に陥る中、ウガンダ軍のカイネルガバ(Muhoozi Kainerugaba)将軍は15日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「コンゴ東部ブカブを攻撃する」と記した。

ウガンダ軍は2021年以来、コンゴ東部で猛威を振るうイスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」との戦いでコンゴ軍を支援しており、1月下旬から2月上旬にかけて1000人の兵士を追加配備している。

しかし、国連の専門家はウガンダ政府もツチ族主導のM23を支援していると指摘している。

スミンワ氏はロイターのインタビューでカイネルガバ氏の投稿に関するコメントを避けた。

カイネルガバ氏の発言は1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような事態に発展するのではないかという懸念を抱かせた。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。

M23の最高司令官であるコルネイユ・ナンガア(Corneille Nangaa)氏は14日夜、部隊がブカブに入り、15日も市中心部で活動すると述べた。

M23がブカブの中心部に入ったという情報はない。AP通信は情報筋の話しとして、「国軍がM23の侵攻を食い止めている」と報じた。

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