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▽アルジャジーラは8日、M23の指導者のインタビューを放送。指導者はその中で、政府が昨年8月の停戦協定に違反したと主張した。
2017年7月9日/コンゴ民主共和国、北キブ州、コンゴ軍の兵士(Getty Images/AFP通信)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国政府は9日、同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)のインタビューを放送したとして、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの放送免許を剥奪した。

大統領府の報道官は声明で、「アルジャジーラの放送は今後受信できなくなり、その記者も国内での活動を禁じられる」と述べた。

法務相は別の声明で、「M23に関する偽情報を流した他のメディアや記者も免許取り消しの対象になる」と警告した。

アルジャジーラはこの決定に関するコメントを出していない。

アルジャジーラは8日、M23の指導者のインタビューを放送。指導者はその中で、政府が昨年8月の停戦協定に違反したと主張した。

また指導者は「民間人を殺害しているのは政府である」と述べたが、その証拠は示さなかった。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

大統領府の報道官は声明の中で、「テロリストの主張を公共の電波で流すこと自体間違いであり、全く受け入れられない」と非難。「テロリストに発言する場を与えるな」と断じた。

法務相はその数時間前、X(旧ツイッター)への投稿で、「M23とそれを支援するルワンダ軍の活動を報道するメディアは全て、免許取り消しの対象になる」と警告した。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

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