コンゴ政府と反政府勢力M23、和平合意の枠組みに署名
これは数十年にわたるコンゴ東部の紛争を終結させる取り組みの一環である。
が参加する「コンゴ川同盟」の指導者コルネイユ・ナンガア氏(ロイター通信).jpg)
コンゴ民主共和国政府とルワンダの支援を受ける反政府勢力M23(3月23日運動)が15日、和平合意の枠組みに署名した。
これは数十年にわたるコンゴ東部の紛争を終結させる取り組みの一環である。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動。そのほとんどが土地や貴重な鉱物などを守るために戦っている。
中央政府とM23の和平が実現すれば、鉱物資源が豊富な東部地域に数十億ドルの西側投資を呼び込む可能性がある。
M23が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市・南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
それ以来、アフリカ諸国に加え、カタールと米国が和平に向けた協議を仲介してきた。
M23の代表団はカタール・ドーハでコンゴ政府代表団と会談。和平合意の枠組みに署名した。
その後、M23の団長はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「これは和平合意ではなく、合意達成に必要な措置を概説した枠組みに過ぎない」と強調した。
コンゴ政府は声明で、「この枠組みは和平協定の基礎となる8つの要素で構成される」と説明した。
そのうち2つ(囚人解放に関する合意、停戦監視機関の設置)は9月と10月に署名済みである。
残る6項目(反政府勢力支配地域での国家権力回復、人道支援アクセス、難民再定住など)については、今後2週間で協議・交渉が行われるとのこと。
カタールは4月以降、コンゴ政府とM23間の協議を主催してきた。この期間中もコンゴ東部では戦闘が続いている。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。
