◎政府は23日未明の声明で避難計画を発動したと述べたが、噴火からすでに数時間が経過していたため、多くの住民が町のすぐ南に位置する隣国ルワンダの国境検問所に徒歩で押し寄せ、国境を越えようとしていた。
2021年5月22日/コンゴ民主共和国、東部の都市ゴーマの北約15kmに位置する活火山のニーラゴンゴ山(AP通信/ジャスティン・カバンバ)

5月22日、コンゴ民主共和国東部の活火山、ニーラゴンゴ山が約20年振りに噴火した。現地メディアによると、溶岩は火口の南約15kmに位置する人口約200万人の都市ゴーマに向かって進み、高速道路に到達したという。

23日未明時点で死傷者が出たという報告は確認されていないが、目撃者によると、溶岩はゴーマと北部のベニ市を結ぶ高速道路を飲み込んだという。

ニーラゴンゴ山が最後に噴火したのは2002年で、当局の記録によると、少なくとも250人が死亡し、約12万人が住居を失い、ゴーマ空港の滑走路は溶岩に覆われ、インフラは完全にマヒした。

ゴーマの住民ザカリー・パルク氏はAP通信の取材に対し、「火口に近い住民たちは半狂乱状態で自宅から脱出しました」と述べた。「逃げるしかありません。どうしたらいいのでしょうか...」

政府は23日未明の声明で避難計画を発動したと述べたが、噴火からすでに数時間が経過していたため、多くの住民が町のすぐ南に位置する隣国ルワンダの国境検問所に徒歩で押し寄せ、国境を越えようとしていた。

現地の全国放送によると、ルワンダの入国管理局は約3,000人がコンゴから公式に国境を越えて入国したと発表したという。

2021年5月22日/コンゴ民主共和国、東部の都市ゴーマの住民(EPA通信)

国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUSCO)は22日、「ゴーマ上空で偵察飛行を行っている」とツイートした。当局者はツイートの中で、「溶岩は南下しているが、ゴーマに向かっているようには見えない」と述べた。

住民のドルカス・ムブレイ氏はAFP通信の取材に対し、「火山が噴火の兆候を示してから約1時間後に避難を開始した」と語った。「父の友人が電話で外を見るよう促してくれました。私たちは何も知らずに自宅で食事をしていました」

ゴーマ火山観測所は当初、噴火したのはニーラゴンゴ山ではなくニアムラギラ山と発表していた。ニアムラギラ山はニーラゴンゴ山の北西約13kmの地点に位置し、町からはかなり距離がある。

火山学者のチャールズ・バラギジ氏はAP通信の取材に対し、「溶岩はルワンダに向かって進んでいるように見える」と述べた。

ゴーマはルワンダとの国境沿いの街で、地域内には多くの人道機関があり、MONUSCOも周辺地域の監視を行う際の中継地点として利用している。

コンゴのパトリック・ムヤイ通信相は、「フェリックス・チセケディ大統領は官邸で緊急閣議を招集し、措置について話し合った」とツイートした。

ニーラゴンゴ山は世界で最も活発な火山のひとつとして知られている。地元メディアによると、コンゴ政府の汚職問題に対する世界銀行の援助削減の影響で、ゴーマ火山観測所の運営に影響が出ていた可能性があるという。

ゴーマ火山観測所は5月10日にニーラゴンゴ山の地震活動が増加していると警告していた。

2021年5月22日/コンゴ民主共和国、東部の都市ゴーマと活火山のニーラゴンゴ山(EPA通信)
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