◎首都モロニでは17日からデモが始まり、一部地域で暴動に発展。暴徒は道路にバリケードを設置し、タイヤを燃やし、警察にレンガや火炎瓶を投げつけた。
インド洋の島国コモロで大統領選の結果に抗議するデモが暴動に発展した。現地メディアが18日に報じた。
選挙管理当局は14日に行われた選挙の最終結果を公表。現職のアスマニ(Azali Assoumani)大統領が得票率62.97%で4選を決めた。
首都モロニでは17日からデモが始まり、一部地域で暴動に発展。暴徒は道路にバリケードを設置し、タイヤを燃やし、警察にレンガや火炎瓶を投げつけた。
AP通信の取材に応じたデモ参加者はアスマニ氏のポスターを破り、「不正選挙のやり直しを要求する」と叫んだ。
APによると、暴徒はモロニ市内にある政府高官の自宅に火を放ったという。負傷者が出たかどうかは不明。
さらに、暴徒は市内の食料倉庫、民間企業の事務所、国会議員事務所などを破壊、略奪した。
政府は17日夜に夜間外出禁止令を出したものの、暴徒はそれを無視して大暴れしたようだ。
国連人権理事会のターク(Volker Turk)高等弁務官はSNSに声明を投稿。市民に対し、平和的に抗議するよう訴えた。
国連によると、警察は暴動に関与していないデモ隊にも催涙ガスを撃ち込んだという。
ターク氏は「アスマニ政権による近年の弾圧を懸念している」と表明した。
コモロの人口は約80万人。1975年にフランスから独立して以来、何度もクーデターを経験してきた。最初のクーデターは独立からわずか1カ月後に起こった。
アスマニ氏は1999年のクーデターを率い、2002年に大統領に選出。1期で退いたものの、2016年の選挙で返り咲き、2019年に再選された。大統領の任期は5年である。
アスマニ氏は2018年に憲法を改正し、大統領の任期制限を廃止した。