◎アムハラ州では昨年4月、政府が地元民兵を解散させ国軍に吸収しようとしたため、反乱が勃発した。
在エチオピア・米国大使館は9日、北部アムハラ州で国軍と武装勢力の衝突により80人以上が死亡したとされる事件の調査を求めると表明した。
それによると、衝突は先週確認され、民間人を含む80人以上が殺害されたという。
中央政府はコメントを出していない。
米国大使館は声明で、「北部ティグライ州に隣接するアムハラ州で民間人が虐殺されたという報告があり、懸念している」と述べ、独立した調査機関による公正な調査を要請すると表明した。
また同大使館は「他の北部州でも人権侵害が多発しているという不穏な報告があった」と明らかにした。
海外メディアはアムハラ州やティグライ州などへの立ち入りを禁じられている。
アムハラ州では昨年4月、政府が地元民兵を解散させ国軍に吸収しようとしたため、反乱が勃発。ティグライ州の内戦に深く関与した民兵グループが8月に攻撃を開始し、複数の町を占領した後、撤退した。
国連を含む人権監視団がアムハラ州で超法規的殺人を含む複数の人権侵害が確認されたと報告している。
中央政府の独立機関である人権理事会は6日、アムハラ州で先月末に発生した戦闘中に大規模な人権侵害が確認されたという情報があると発表。それによると、80人以上の市民が殺害され、そのほとんどが男性であった。
ティグライ州を含む北部地域は政府とティグレ人民解放戦線(TPLF)による2年に渡る戦争で荒廃。ベルギーのゲント大学が行った調査によると、ティグライ州では2020年11月~22年8月の間に民間人少なくとも38万3000~38万6000人が死亡したとみられる。
国連の推計によると、この内戦で人道支援を必要とする市民は2000万人を超え、280万人以上が今も避難生活を余儀なくされている。