ナイジェリア北東部でコレラ流行、58人死亡
コレラはビブリオ・コレラ菌(Vibrio cholerae)によって引き起こされる急性の感染症である。
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アフリカ西部・ナイジェリアの北部バウチ州でコレラが流行し、250人以上が感染、少なくとも58人が死亡した。保健当局が19日、明らかにした。
州政府はこの事態を受け、緊急対応と予防策を強化するとして、専門家委員会を立ち上げた。
バウチ州知事室はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「これまでに258人の新規症例と58人の死亡が確認されている」と明らかにした。
委員会は対応を一元化し、長期的な予防戦略を国家コレラ対策計画およびナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)と整合させることを目指している。
NCDCによると、ナイジェリアでは過去2年間に1万1000人以上がコレラに感染。400人以上が死亡している。
コレラはビブリオ・コレラ菌(Vibrio cholerae)によって引き起こされる急性の感染症である。主に汚染された水や食物を介して感染し、下痢や嘔吐を特徴とする。感染すると短時間で大量の水様性下痢が発生し、脱水症状を引き起こすことがあるため、適切な治療を受けない場合、重篤化し死亡することもある。コレラの潜伏期間は通常1〜5日であり、症状は軽症から重症まで幅広く現れる。
コレラの主な症状には、突然の水様性下痢、嘔吐、腹痛、脱水症状がある。特に重症例では血圧低下や腎不全、ショック状態に陥ることがあり、迅速な補液や電解質補充が不可欠となる。診断は臨床症状と便検査によって行われ、ビブリオ・コレラ菌の培養や迅速診断キットを用いることもある。
感染の予防には清潔な飲料水の確保、衛生的な食品取扱い、手洗いの徹底が重要である。コレラは特に発展途上国や災害時における水・衛生環境の不備により流行しやすい。ワクチンも開発済みで、一部の高リスク地域では予防接種が推奨されている。
治療は主に経口補水療法(ORS)による脱水対策が中心であり、重症例では点滴による補液が必要となる。また、抗菌薬は症状の軽減や感染期間の短縮に用いられるが、耐性菌の出現にも注意が必要である。歴史的には19世紀以降、世界各地で大規模なコレラ流行が発生し、パンデミックを引き起こしてきた。現代でも衛生環境が整っていない地域では依然として重大な公衆衛生問題である。
コレラの流行を抑制するためには地域社会全体での衛生インフラ整備、飲料水の安全確保、教育・啓発活動が不可欠である。また、国際的な監視体制や迅速な感染報告も重要であり、感染症対策の基本として位置づけられている。これにより、コレラによる死亡率を大幅に低下させることが可能である。