スーダン・ダルフール地方でコレラ急拡大、2470人死亡、MSFが警告
コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。
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アフリカ北東部・スーダンのダルフール地方でコレラが急拡大し、過去1週間で少なくとも40人が死亡、2300人以上が罹患している。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」が14日、明らかにした。
MSFは最新の報告書で、この流行をスーダン史上最悪と評し、内戦の即時終結を改めて呼びかけた。
MSFによると、同国では24年7月にコレラの流行が始まって以来、10万人近くが感染し、そのうち少なくとも2470人が死亡したという。
コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。
国連とMSFは連携してワクチン接種キャンペーンを展開してきたが、ダルフールとその周辺地域で戦闘が激化し、数十万人が新たに避難を余儀なくされた結果、避難民キャンプの衛生状況が悪化。コレラの流行に拍車をかけた。
MSFはダルフール市内のある病院について、収容能力130人の3倍を超える約400人のコレラ患者を受け入れ、その多くが床で治療を受けていると明らかにした。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
MSFは国連世界保健機関(WHO)と連携して、40万回分のコレラワクチンを受け取り次第、ダルフールでワクチン接種キャンペーンを再開する予定である。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。