◎ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
アフリカ東部・ソマリア沖で先週、18人の乗組員を乗せた中国船籍の漁船が海賊に乗っ取られ、行方不明になっている。地元当局が6日、明らかにした。
北部プントランド自治区域の当局者は記者団に対し、「漁船の警備員もシージャックに加担したとみられる」と語った。
EUの海軍部隊アスピデスは5日、現地の海事当局から通報があったことを確認し、調査の結果、海賊とみられる男たちが民間の船を乗っ取ったことが判明したと声明を出していた。
プントランドの当局者は「乗組員は最大18人。負傷者はおらず、調査の結果、海上での武装強盗事件と判断した」と述べた。
AP通信はこの事件に詳しい関係者の話しとして、「漁船の警備員2人が海賊を招き入れた」と伝えている。
この漁船は台湾船籍とみられ、現地ではプントランドのビジネスマンが代表を務めているようだ。
APによると、海賊は500万ドルの身代金を要求し、断られたため、100万ドルを再提示。船主はこれも拒否したとされる。プントランド当局は身代金に言及していない。
ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
米国、インド、日本を含む多くの西側諸国がソマリア沖で海上警備に当たっている。
世界銀行はソマリアの海賊が2005~12年にかけて乗組員を人質にすることで3億4000万~4億1300万ドルを稼いだと推定している。