▽ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
在ソマリア・中国大使館は13日、昨年11月にソマリア沖でシ-ジャックされた中国船籍の漁船が18人の乗組員と共に解放されたと発表した。
同大使館はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「中国政府の絶え間ない努力の結果、乗組員は13日に全員解放された」と明らかにした。
また同大使館は「中国政府は乗組員の安全と国際航行の安全を脅かしたこの悪質な海賊行為を強く非難し、中国国民と海外企業の合法的権利を断固として守り続ける」と強調した。
この漁船は11月下旬に海賊に乗っ取られ、ソマリア北部プントランド自治区域の港に曳航された。海賊たちはその後、1000万ドルの身代金を要求したとされる。
身代金が支払われたかは明らかになっていない。
この漁船は2020年にプントランド自治当局から操業許可を得たとされる。一部メディアはその免許が既に失効していたと伝えているが、詳細は不明だ。
AP通信はこの事件に詳しい関係者の話しとして、「海賊は500万ドルの身代金を要求し、断られたため、100万ドルを再提示したが。船主はこれも拒否した」と伝えていた。
在中国大使館によると、中国側はソマリア政府およびプントランド自治政府と協議し、漁船と乗組員の救出に努めたという。
ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、この1年で新たな攻撃が何件か報告されている。
米国、インド、日本を含む多くの西側諸国がソマリア沖で海上警備に当たっている。
世界銀行はソマリアの海賊が2005~12年にかけて、乗組員を人質にすることで3億4000万~4億1300万ドルを稼いだと推定している。