◎イギリス政府は先月、インド洋の戦略的要衝であるチャゴス諸島をモーリシャスに返還すると発表した。
アフリカ西部・インド洋の島国モーリシャスのラムグーラム(Navinchandra Ramgoolam)首相は11月29日、チャゴス諸島の領有権をモーリシャスに返還するイギリスとの協定について、独立機関による見直しを命じたと明らかにした。
ラムグーラム氏は議会で、「その結果を内閣で精査する」と語った。
イギリス政府は先月、インド洋の戦略的要衝であるチャゴス諸島をモーリシャスに返還すると発表。同島のディエゴガルシア島にある米英軍の基地は使用を継続するとしている。
両国はまだ協定に調印していない。
ラムグーラム氏率いる野党連合は今月の議会選(一院制、定数62)で地滑り的勝利を収めた。ジャグナット(Pravind Jugnauth)前首相率いる与党は1議席も獲得できず、大敗した。
選挙期間中、ラムグーラム氏は前首相による合意を「売国」と批判していた。
チャゴス諸島は約60の島々からなる群島で、1814年以来イギリスの支配下にある。
国際司法裁判所(ICJ)は2019年、イギリスがモーリシャスを違法に分割したと裁定し、イギリスによる植民地化を批判する国連決議を促した。
イギリスの野党は安全保障の観点から、チャゴス諸島の返還に反対している。