◎チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
アフリカ西部・チャドの15の野党および政治団体が年末に予定されている総選挙をボイコットすると表明した。現地メディアが13日に報じた。
それによると、これらの団体はデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領の統治を非難し、公正な選挙が行われる保証がないとして、選挙に参加せず、12月29日の投票日まで抗議デモを行うとしている。
立候補受付期間は10月19~28日まで。
デビ氏は今年5月の大統領選で野党候補を破った。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。選挙で国家元首を選出したのも今回が初めてであった。
国会に議席を持たない野党は有権者に対し、総選挙を妨害するデモを行うよう呼びかけた。
5月の大統領選で敗れたマスラ(Succès Masra)前首相の政党もこれに参加する予定だ。
故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。
チャドが最後に議会選を行ったのは2011年。新議会は2015年に選出される予定であった。
しかし、FACTの台頭、イスラム過激派の脅威、パンデミック、そしてデビ氏の死去に伴う政権交代などにより、選挙は何度も延期されてきた。