▽主要野党は与党MPSが選挙当局を支配していると主張し、選挙をボイコットしている。
アフリカ西部・チャドで29日、議会選挙(一院制、定数155)と地方選が行われた。
主要野党は与党MPSが選挙当局を支配していると主張し、選挙をボイコットしている。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が暫定議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。
チャドが最後に議会選を行ったのは2011年。新議会は2015年に発足する予定であった。
しかし、FACTの台頭、イスラム過激派の脅威、パンデミック、そしてデビ氏の死去に伴う政権交代などにより、選挙は何度も延期されてきた。
戦死した故デビ氏は30年間政権を握り、その息子に支配を引き継いだ。野党はデビ氏に辞任を要求している。
地元メディアによると、登録有権者数は少なくとも800万人。州、県、市、町の議会や首長を選出する。結果は2週間後に公表される予定だ。
10以上の野党が選挙をボイコットしているため、与党の勝利は揺るぎそうにない。
野党は監視団が配置されていないことに怒りを表明し、選挙を「茶番」と呼んでいる。