チャド検察、マスラ前首相に懲役25年求刑、扇動罪など
検察は懲役刑に加え、資産の凍結と、国家への賠償金として50億CFAフラン(約13.1億円)の支払いを求めた。
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アフリカ西部・チャドの検察は8日、同国の野党指導者マスラ(Succès Masra)前首相に対し、人種差別的な暴力の扇動を含む複数の容疑で懲役25年を求刑した。
マスラ氏と数十人の共犯者は今年5月に南西部ロゴネ・オクシデンタル州で遊牧民と農民の衝突を引き起こしたとして起訴された。
この衝突では少なくとも35人が死亡、6人が負傷した。
マスラ氏は容疑を否認している。
マスラ氏の弁護士はロゴネ・オクシデンタル州の裁判所前で記者団に対し、「私たちは依頼人に対する告発を全て否定し、適切な結論を導き出し、チャド国民が望む正義を追求する」と語った。
検察は懲役刑に加え、資産の凍結と、国家への賠償金として50億CFAフラン(約13.1億円)の支払いを求めた。
マスラ氏は24年5月の大統領選でデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領に敗れた。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。選挙で国家元首を選出したのも初めてであった。
故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。