▽10以上の野党が選挙をボイコット。野党は監視団が配置されていないことに怒りを表明し、選挙を「茶番」と呼んでいた。
アフリカ西部・チャドの選挙管理委員会が昨年末に行われた議会選挙(一院制、定数155)の結果を公表し、与党MPSが過半数を獲得した。現地メディアが12日に報じた。
それによると、MPSは124議席を獲得。投票率は51.5%であった。
10以上の野党が選挙をボイコット。野党は監視団が配置されていないことに怒りを表明し、選挙を「茶番」と呼んでいた。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ(Mahamat Idriss Deby)氏が暫定議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。
チャドで議会選が行われた14年ぶりであった。
戦死した前大統領は30年間政権を握り、息子に支配を引き継いだ。野党はデビ氏に辞任を要求している。
デビ氏は年末の演説で、この選挙は国民が待ち望んでいた地方分権の時代への道を開くと述べていた。
現地メディアによると、野党はコメントを出しておらず、抗議デモが行われているという情報もない。