チャド、12月29日議会選へ、野党分裂で与党有利に
▽与党は過半数を維持する可能性が高い。
.jpg)
アフリカ西部・チャドで12月29日に議会選挙(一院制、定数155)と地方選が行われる。
与党MPSと野党は27日、各地で最後の選挙集会を開いた。
首都ンジャメナでは多くの若者が投票を放棄すると表明。野党の集会に参加する者は少ない。
野党候補の選挙キャンペーンに参加したンジャメナの男性はAP通信の取材に対し、「できることをコツコツとやって行く」と語った。
しかし、今年5月の大統領選の結果に幻滅した多くの若者たちは、29日の選挙が大きな変化をもたらすとは考えていない。
デビ(Mahamat Idriss Deby)大統領を支持しているという女性はAPに、「多くの有権者がどちらが勝っても何も変わらないと思っている」と語った。
与党は過半数を維持する可能性が高い。
与党議員たちは選挙戦を通じてデビ氏により強い信任を与えるため、すべての県、市、町議会で勝利することを目指している。
一方、主要野党は10月の時点で選挙をボイコットすると表明。デビ氏が指導者である限り、誰が勝っても意味はないと主張し、支持者に抗議デモを行うよう呼びかけてきた。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年にフランスから独立して以来、政治情勢が安定したことは一度もない。選挙で国家元首を選出したのも今回が初めてであった。
故イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が暫定議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。
チャドが最後に議会選を行ったのは2011年。新議会は2015年に発足する予定であった。
しかし、FACTの台頭、イスラム過激派の脅威、パンデミック、そしてデビ氏の死去に伴う政権交代などにより、選挙は何度も延期されてきた。
同国の野党は深く分裂・分断されており、与党に大きく水を開けられている。