◎チャドの中部と南部の住民は武装しており、暴力が蔓延している。
チャドの軍事政権は22日、首都ンジャメナの南約500kmの地点で農民と遊牧民が衝突し、少なくとも9人が死亡したと報告した。
軍事政権の報道官はAFP通信の取材に対し、「農民と遊牧民が衝突した理由は調査中であり、少なくとも9人が殺害された」と語った。
チャドの中部と南部の住民は武装しており、暴力が蔓延している。
地元メディアによると、遊牧民は主にアラブ系で、先住民族で構成される農民と土地をめぐって対立する。AFP通信の取材に応じたある農家は、「遊牧民は家畜を放牧して畑を荒らしまわる」と語った。
報道官は現地に部隊を送り、衝突を抑えたと説明した。負傷者の数や衝突に関与した者の数は明らかにしていない。
今月10日にも首都ンジャメナ郊外の集落で農民と遊牧民が衝突、13人が死亡している。この衝突は遊牧民の子供が農家の鍬を盗んだことから始まったと伝えられている。
ンジャメナの東約200kmで昨年8月に発生した農民と遊牧民の衝突では22人が死亡。昨年2月には南部地域で35人が殺害されている。