◎チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
チャド、首都ンジャメナ、デビ大統領(Getty Images)

アフリカ中部・チャドの暫定政権を率いるデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領が2日、今年5月に予定されている大統領選に立候補すると表明した。

デビ氏は軍事評議会の演説で、「政府与党の旗の下、大統領選に出馬する」と語った。

イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。

デビ氏は民政復帰を約束したものの、野党から猛批判を受けたにもかからず、移行期間を2年延長。選挙管理当局は先週、待ちに待った大統領選を5月6日に行うとようやく発表した。

デビ氏は演説でこう強調した。「前線で戦死した父の後を継いだ時、この国を守ると決めました。父の願いはこの国を安定させ、民主主義を確立し、恒久平和をもたらすことでした...」

国営テレビは専門家の話しとして、「デビ氏は220以上の政党や団体からなる連合から支持を受けている」と報じている。

デビ氏の従兄弟とされる野党指導者は今週、首都ンジャメナにある国家安全保障局の事務所を襲撃した際、治安当局の攻撃を受け死亡したとみられる。

地元当局によると、この事件ではデビ氏の従兄弟を含む数人が死亡、少なくとも20人が逮捕されたという。

それ以上の詳細は明らかにされていないが、デビ氏の従兄弟は野党グループを率い、大統領選の有力候補のひとりとみられていた。

チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。

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