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チャド政府がスーダン国境閉鎖、戦闘員の流入受け


スーダンでは2023年4月に国軍とRSF間で内戦が勃発して以来、戦闘が激化し続けている。
チャドとスーダンの国境付近にある難民キャンプ(AP通信)

チャド政府は23日、隣国スーダンとの国境を封鎖すると発表した。これはスーダン内戦に関与する戦闘員らの国境越えが繰り返され、自国領土への紛争拡大の危険が高まっていることを受けた措置である。

大統領府の報道官は声明で、「この国境封鎖は紛争が我が国の領土に広がるリスクを防ぎ、国民とスーダン難民の保護、国家の安定と領土保全を保証するためのものだ」と述べた。

封鎖決定の背景には、週末にスーダン西部ダルフール地方の国境近くで発生した戦闘がある。準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が国境の町を攻撃したものの、国軍とその同盟勢力がこれを撃退し、RSF戦闘員がチャド側へ退却したとされる。この町はダルフール地方の中で国軍が辛うじて確保している数少ない地域のひとつとされる。

チャド南東部国境付近では、これまでも戦闘が跳ね返る形で領内へ戦闘員や武装集団が侵入し、人命やインフラに被害をもたらしてきた。このためチャド政府はこれまでにも紛争が激化した際、一時的に国境を閉鎖したことがあるが、今回は無期限での封鎖を宣言した。封鎖措置はヒトや物資の移動を制限するものの、「人道的理由で厳格に正当化される場合には例外を認めることがある」と声明は付け加えた。

スーダンでは2023年4月に国軍とRSF間で内戦が勃発して以来、戦闘が激化し続けている。国連によると、これまでに4万人以上が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされるなど、世界最大級の人道危機を引き起こしている。難民の多くが国境を越えてチャドに流入し、同国には数十万人規模のスーダン難民が滞留している。

チャド国内では国境封鎖を受けて、治安部隊が警戒を強化している。国境付近に追加の兵力が展開される一方で、貿易や住民の生活への影響を懸念する声も出ている。少なくともスーダンと国境を接する4つの町の国境検問所が封鎖され、これまで地域住民や商人が日常的に利用していた交通・物流ルートが停止しているとの報道もある。

専門家は今回の国境封鎖がチャドにとって安全保障上の重要な転換点となり得ると指摘する。スーダン内戦の断片的な戦闘が今後もチャド側に及ぶ可能性があるとして、封鎖の解除がいつ実施されるかは不透明な状況である。国際社会は緊張緩和と人道支援の重要性を訴えており、地域の安定に向けた外交努力が求められている。

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